Out-of-Eden―禁断の果実―
「ダメなんです」

「なんでだ」



柊斗さんに断りを入れるのは毎回のことながら怖い。




眉を寄せて怖い顔されるとあんまり言えない。




「怒らないから言え」



そう言われても言えないことと、言えることがある。




ユイのために金を貸してほしいなんて言えない。そんなの失礼すぎる。




「お前のためなら何でもしてやる」

「……えと」

「どうした、言えないことなのか」

「はい、スイマセン…」




柊斗さんはもっと眉を寄せて、怒こっているのか困っているのかわからない顔で。




私は逃げるしか選択がなかった。







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