Out-of-Eden―禁断の果実―
持っていたポシェットからピンクのハンカチを出して、彼の頬に触れる。
「大丈夫ですか…」
「な…俺が誰だかわかってんのかオマエ」
まだ警戒しているのか言葉はとげとげしい
「あまり…知りません。でも」
「でも…?」
「貴方が誰であろうと私は助けます」
目の色が少し光を帯びたのがわかった。
「俺はここらで一番恐れらてるのにか?」
「それでも…私に危害を加えないでしょう?」
「……」
「何をそんなに…失望しているのですか?」
そう言うと動揺したように目を見開いた。
それから彼は私に語りだした。