Out-of-Eden―禁断の果実―
しばらくして柊斗さんが何やら救急箱を持ってきた。



「顔、染みると思うが我慢しろ」



そっと消毒をつけられ、泣きそうになった。



さっきのことを思い出して、ユイと上手くいかなくて泣いてしまった。




「痛いか」

「えっと…そうじゃないです」

「じゃあ何だ」

「何でもないです…」




柊斗さんの手当は上手い。



柊斗さん不器用かと思ってた。



「こんなことしてもらってごめんなさい…」

「気にするな」

「柊斗さん…私に良くしてくれるのはうれしいですが…」

「何だ」

「私のことほっといてください」




柊斗さんは人が良すぎる…。


私のことなんか、ほっといてくれてもいい。




「できねえ」

「え?」

「ほっとくことなんかできるわけねえ!」



そう言って私を包みこむように抱きしめた。



え?


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