僕の色、君の色
上の空で授業は過ぎ、放課後。
咲人の家へ歩いていると、見覚えのある後ろ姿があった。

…桃花先輩。

きっと家に帰るところなんだろう。
弟が熱出して、心配なんだなあ。
……どうしよう。
声、掛けてみようかな。
だんだん桃花先輩の後ろ姿は近づいてくるけど、声がうまく出せない。
のどになにかがつっかかったように、声が出せないんだ。
もう、僕の意気地なし!!!!
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