《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
心配そうな顔で立ち
上がろうとしてるその子を
手で制して、あたしは
短く説明する。




服についた草をパンパンと
払いながら、




「まあ、楽しいなら
ゆっくりそうしてれば。

別にそこ誰の場所でも
ないんだから、断りなんて
いらないよ」




そっけない声でそう言って
踵を返すと、あたしは
大股で土手をのぼり、
急いでその場を立ち去った。






――これが、

あたしと珪(けい)との

出会いだった――……





       ***



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