《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「何言ってるの、お兄ちゃん。

ずっと一緒にいるじゃない……。

あたしはいつまでも、
お兄ちゃんの妹じゃない……!」




もどかしくて切なくて、
またさらに涙がこぼれた。




『妹でいてくれ』なんて――


むしろそれは、あたしの
方こそずっとずっと祈って
きたことだ。




――13歳のあの日から。




どんなことをされたって、
あたしはお兄ちゃんの妹で
居続けたいがために、全部
受け入れてきた。




許されない“秘密”を持つ
ことを、容認してきた。



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