《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
目の前で再び閉ざされる白い扉。




言いようのない不安と
寂しさにその場で立ち
尽くしてると、肩にそっと
暖かい手が置かれた。




「珪―――…」




振り返ると、斜め後ろで
珪が『大丈夫だ』と言う
ような強い光をたたえた
瞳であたしを見てる。




(そうだよね……。

ありがと、珪)




「また来るね、お兄ちゃん」




扉の向こうに、小さく囁いて。




あたしは珪とママと寄り
添うようにして、静かに
病室の前を離れた……。






       ***



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