《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
「―――わかったよ」




ゆっくりと呼吸してから、
あたしは静かな声でそう答えた。




「じゃあ、約束ね。

桜の咲く頃。また、ここで」




「あぁ。

もしここで再び会えたら――

オレはもう、何も迷わない。
一生お前を守り抜いてやる」




「珪―――……」




再び重なる唇。




長いキスの後、あたし達は
そっと離れた。




そうして言葉もなく、
互いに背を向け。




それぞれの運命に立ち
向かうように、歩き出した。






       ***



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