《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
あんなことで髪に匂いが
うつるなんて、信じられ
ないけど。




「川原には……行ったよ。

町外れの。


配達で、通るから……」




「――ああ、あそこか。

昔ときどき、遊びに
行ったな……」




何かを思い出したように
そう言って、その後すぐに
お兄ちゃんは再び強く
あたしをあおった。





衝撃にしびれながら、
あたしはむしょうに
悲しくなった。



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