《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
(珪がいるかどうかも、
わかんないのに――…)




心の中でつぶやいた直後、
あたしは草の上に見知った
後ろ姿を見つけてしまう。




「………珪」




後ろからそっと近づいて、
少し迷ったけど、そう下の
名前を呼んだ。




珪は驚いた様子でビクッと
肩を跳ね上げて振り返り、




「ビックリした〜!

驚かせんなよ、タチわりぃな!」




「別に驚かそうなんて
思ってないけど。

そっちが全然気づかないから」



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