空に手が届きそうだ
優は、そんな事を気にも止めずにカゴを風呂場の前に置いた。
汚い部屋を見て、今日帰ってきたら片付けようと思う。
重い気持ちのまま、大嫌いな制服を玄関横にあるクローゼット開けてはみたが、触りたくなくて睨み付ける。
(着たくないな……)
そう思いながらも、着ないと学校に行けない。
仕方なく制服を出そうと手を伸ばすと、急に着信音が部屋に響いた。
びっくりして、一瞬体が止まってしったが、冷静になって制服…をと思い、手に持ってクローゼットを閉める。
布団の上で優を呼んでいる携帯に手を伸ばして、通話ボタンを押した。
「もしもし?」
「おはよう、優。起きた~?」
「起きた起きた。」
「よかった~。寝てたら、怒鳴りに行こうと思ってた。」
「え~。それは辞めてよ。」
優は、笑いながら風花に返事をする。
「いや、起こしてあげようと思って電話したんだ。優なら、まだ布団株って、もうちょっと~って言うかなって思ってね。」
「なっ……失礼な。ちゃんと起きてます~。」
文句を言いつつ、制服を置いた。
「ごめんごめん。」
「いいよ。それより、今日はいつもの所で待ってたらいい?」
「うん。いつもの所に、お願い。」
「わかった。」