雨に似ている
雨空
校門前で車を降り、傘をさす。




母が窓を半分開け、透き通るような声で言う。




「何かあったら連絡しなさい」



いつもと同様に優しく。






雨の日は苦手。



胸の奥で風が吹き抜け、喘々と音がする。




母の声に、傘を傾け頷き車を見送った。



色とりどりの傘の群れに揉まれながら、押し流されるように歩く。





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