白銀の女神 紅の王
「昼間城下である男がエレナに接触した」
「なんだと?」
弾かれたように顔を上げると、騎士団副団長としてのデュークがそこにいた。
「お互い周りに気取られないよう接触していたが、あの様子だと知り合いの様だな」
「………」
エレナと面識のある男といえば浮かぶ人物は一人だけ。
「心当たりがあるのか?」
「恐らく賭博場にいた奴だろう」
ふと思い出したのは目を覚ました時の事。
“ジェスには手を出さないでください”
縋るような銀色の瞳で訴えられた。
けれど強い想いを持ってそう言ったエレナ。
エレナが唯一守りたいと思っている者。
チッ……
心の中で盛大に悪態をつく。