白銀の女神 紅の王
エレナは俺が買った。
エレナの能力を活かすも殺すも自分次第。
しかしその吹けば倒れそうな容姿に似合わずエレナは俺の思った通りには動いてくれない。
ジェスの事になると俺に向ける瞳は真っ直ぐで遠慮がない。
そんなにも自分の事よりアイツが大事か?
地下の賭博場に立ち入った時、危うかったのは自分だったというのに。
あんな目に遭ってでもジェスに手を出すなと言うのだ。
心を読めるという能力を使ってこそ価値があると言うのに、その能力をジェスを生かしておくために使わせたくない。
矛盾しているな……
苛々としながらも自嘲的な笑みが口元に浮かぶ。
「まぁ放っておいても害はなさそうな奴だったが一応報告はしたぞ」
「あぁ」
デュークの言葉に短く答える。
「さて、俺は戻るか…。例の件、引き続き調べておく」
やっと帰る気になったか…
これからしばらくは王城も静かになるな。
そう思いながら清々とデュークを見送った。