白銀の女神 紅の王



部屋から聞こえる音に過敏になって。

物音ひとつにも反応してしまう。

ましてや、先程男が侵入してきたであろうカーテンの音など恐怖以外のなにものでもなく。

先程の騒動から1時間にも満たない今、また襲ってくる訳もないのに、体は恐怖を訴えた。



カタカタと震えながら、窓に背を向けていると―――


「ただの風だ。」

そう言って、シルバに布団ごと体を引き寄せられた。

一気に縮まる距離。

胸に添えた手ごと、隙間なく抱きしめられる。

そして、冷たいとも、ぶっきらぼうとも取れる声で、シルバは言う。



「窓の方を向きたくないのなら、このまま寝ろ。」

背中に回された手は大きくて、温かくて。

男が私を拘束した時と、何ら変わりないやり方なのに…

体は自らの意思で力を緩めた。

広い胸と、大きな手に包まれる安心感に、段々と意識がまどろむ。




その夜…初めてシルバとすごす夜。

私は、シルバの腕の中で眠りについた―――




< 223 / 531 >

この作品をシェア

pagetop