白銀の女神 紅の王
「いい?さっき説明した通り、この裏門を抜けてから、まず城下へ向かう道に行きなさい。」
裏門まで来たところで、イザベラが小さな声で私に話しかける。
それに、ただコクンと頷く。
「貴方が逃げる手はずは整っているから、歩いていれば、むこうから気付いてくれるわ。」
「私は、ただ歩いているだけでいいのですか?」
そんな計画で大丈夫なのかと不安になるが……
「えぇ、貴方は目立つから。」
フッと笑うイザベラに、納得した。
この銀色の瞳と髪を言っているのだと言うことに。
「分かりました。」
そう言ってフードを被る。
目立つのは瞳の色だけで十分だわ……
「じゃぁ、行ってらっしゃい。ジェスを頼んだわよ。」
「はい。……イザベラさんも……あの……シルバをよろしくお願いします。」
私が言えた台詞じゃないけれど、シルバを支えられるのはイザベラさんしかいないから……
「陛下の事は私に任せて。」
その言葉に、眉を寄せながら微笑み、裏門から出た。