白銀の女神 紅の王
考えている事は同じだろう。
アーク王国と、ギルティス王国は、東部を側面として、北から南で接している。
そして、小屋があり、かつ、土地構造が複雑なのは一か所だった。
あくまで、予測だが……
しかし、次に口を開いたデュークの言葉で、それが確信に変わる。
「そう言えば、俺が奴らの密会を目撃したのは、イースト地区の北東方面だったな。」
「ッ……それを早く言え!」
これで、確信した。
フォレストは北東方面から、ギルティスに向かう気だ。
「すまなかった…って、オイッ!シルバッ!」
デュークの言葉を聞いたや否や、馬の脇腹を強く蹴る。
途端、馬が一気に加速する。
後ろから、デュークの制止の声が聞こえるが、速度を落とす事はしない。
「お前たちは後から来い!」
一瞬振り向き、そう叫ぶが…
「一人で行くなど危険です。」
心配症のウィルは、俺を一人で行かせたがらない。
確かに、一国の王である自分が、単身で行動することは危険だ。
しかし……
「お前たちを待っていては、奴らに国境を越えられる。」
そして、国境を越えられれば、エレナを取り戻すのはより難しくなる。
どうしても国境を越えられるわけにはいかなかった。