ナンパ男との恋 2巻
「お風呂入ってもいいよ」

と、案内されると・・・

断るわけにもいかず・・・

こんなの
輝樹にバレたら
確実に
危機が訪れる・・・

ため息混じりで
お風呂に入り
亮くんの服を着て
バッグの中から 歯磨きセットを取り出し
歯磨きしてる私は
どんだけ 尻軽女なんだろう。

というか・・・
いつでも 泊まれるようにと
バッグに 化粧道具と歯磨きセットを常備してる自分が 憎らしくなったりもする。

「うわっ、春菜ちゃん
眉毛ないけど どうした!?」

どこかで聞いたセリフだ・・

そういえば、
輝樹にも同じ事言われたっけ・・

あの時は
輝樹に すっぴん見られるのが
すごく嫌だったな・・・

亮くんの前では
そんな事 まったく
気にしない私は
やっぱり、
よっぽど 輝樹の事が好きなんだろうと
思わず 笑いがこぼれた。

ベッドに入ると
ダブルベッドのせいか
かなり広い。

そして、
亮くんも
私を不安にさせないように
真ん中に あと一人寝れそうなくらいの隙間を空けてくれている。

輝樹とは違う匂いの布団・・・
違う寝息・・・


そんな事を考えてると
輝樹の事が 恋しくて
涙がでそうになった。


罪悪感と
自分の不甲斐なさが
錯綜して
わけわからない感情に押しつぶされそうになりながら
眠りについた。



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