誘拐犯は私の彼氏!?
財布の中を確認した私は、足早に銀行にむかう。
もしもの時のために、邦人さんに常に通帳を持たされてるから。
本当はカードを持たされてたけど、お金のありがたみがわからなくなるのはいやだったから。
邦人さんの反対を押しきって、通帳にしてもらった。
この通帳は、私が小さい頃から使ってるものだから、私のお小遣いしか入ってない。
邦人さんのプレゼントを、邦人さんのお金で買いたくないもん。
わずかしか入ってない通帳を握りしめて、銀行へ続く道を行く。
道の横には、きれいに刈られた背の高い木が行儀よくならんでいる。