誘拐犯は私の彼氏!?



靴を履きながら、金井さんの小言を聞き流す。


無言でドアノブに手をかけると、後ろから腕を引かれた。


「まさかとは思いますが、男がいるわけではありませんよね?」


にっこり笑いながら、掴む手が力強い。


「さあね。


行ってきます。」


掴まれた腕を無理やり振り払い、玄関を出る。


関係ないじゃない。


真幸は私の男じゃないし。


『今からいくよ。


お弁当作ったから食べようよ。』


メールを送信して小走りで丘に向かった。



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