誘拐犯は私の彼氏!?
息をきらして向かった先。
いつのまにか、俺は海岸まで走っていた。
なぜだかわからない。
ただ昨日、光沙はここで何か考えていた。
あの時の光沙が、すごく印象的で。
忘れられなかった。
「―――光沙さん。」
前から、聞き覚えのある声がする。
昨日出会った、俺の恋敵。
ボンボンが、光沙の前に立っていた。
とっさに海岸の岩に隠れる。
なんで隠れたのか、わからない。
ただ、今の光沙の顔を見たら、俺は行ってはいけない気がした。