誘拐犯は私の彼氏!?
うつむいている光沙には、俺の大好きな笑顔が消えていて。
目が、少し充血していて
小刻みに、震えてる。
こんなに動揺した光沙、俺は見たことない。
昨日でも、こんなに動揺することはなかったのに。
重苦しい空気の中、先に口を開いたのは、ボンボンだった。
ボンボンの言葉は、俺の考えを簡単に超えていて。
俺から、光沙を奪ったんだ。
思えばあの時、俺が光沙をすぐに連れ去っていれば。
ボンボンから、もう一度光沙を拐っていれば。
もっと光沙と、一緒にいれたのかな?
1日でも2日でも、長く旅ができたのかな?
ボンボンからでた言葉を、俺は一生忘れない。
「………あなたのお母さま……
里沙さんを殺したのは私です。」