誘拐犯は私の彼氏!?



ただ、その表情は一瞬で消えて。


「光沙さん、わかりましたか?


私はなんとしても、あなたを手に入れます。


どんなことをしても。


たとえ、だれかの人生を壊すことになっても。」


そう呟いたボンボンの顔に、さっきまでの表情は無くなっていた。


冷たい人形のような顔で、俺を見る。


それと同時に、光沙の顔がひきつる。


―だれかの人生を壊すことになっても。―


その言葉が、やけに耳に残った。


上等だ。


俺の人生くらい、光沙のためならいくらでもくれてやる。


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