塾帰りの12分


すると、相手は私の制服を指差した。


「秀成の生徒?」



ん?よく見れば、この人の制服、うちのだ。

同じ高校だから声かけてきたのかな?

でも、見覚えはない。



「うん、そうだけど」


私がうなずくと、身をかがめ、顔を寄せてきた。



な、なにっ!?

急接近され、ビクッと身を引く。

でも、そんな私のそぶりにもお構いなしに、耳元に顔を近づけ囁いてきた。



「あのさ、スカートのファスナー開いてる」


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