塾帰りの12分
「あっ、すいません」
肩がぶつかった背の高い男の人に頭を下げていたら、斜め前から手が伸びてきた。
グイッ。
腰に腕を回され、引き寄せられる。
「せ、先輩!?」
「どんくさいやつだな。
ぶつからないように歩けないのか?」
「だってここ、通路がくねくねしてて、でも人が多くて見通し悪いし、先輩がどっちに行くか見失いそうで……」
「いいから、こっちだ」
先輩は私の腰に手をかけたまま、スタスタと先を急いだ。