塾帰りの12分

「ちょっと放してよ、壊れるでしょ!」

「うるせー!」


そう怒鳴るやいなや、父はケータイの液晶部分をつかみ、馬鹿力で引っぱった。



――バキッ。



「あああああーーーー!!」



うそでしょ?


ケータイは真っ二つに折れてしまった。


当然、液晶は真っ暗。

通話は切れた。


「……信じられない!
どうしてくれるのよ!」

「フン、知るか!」

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