塾帰りの12分
オクは、呆然と北見先輩を見やった。
北見先輩は黙ってその視線を受け止めている。
しばらくそうしていたけれど、やがてオクはフラフラとその場から歩き去っていった。
オクを見送り、北見先輩に目を移すと、先輩の口元に赤い血が見えた。
「あ、先輩、血が!」
ハンカチを差し出すと、先輩は首を振った。
「大丈夫だ。
それより、講義はいいのか?」
「え、ああ……」
腕時計を見ると、もう塾の講義が始まる時間だった。