塾帰りの12分
持ってろって言ったくせに、結局飲まないの?
いったい、どういうつもりよー。
ブツブツ文句を言ってる間に電車は野川駅に着いた。
電車から降りたとたん、ビューッと風が吹きつけてきて、私は身を縮こまらせた。
「うっ、やっぱ今日寒いよー」
と、その時。
「あ……」
自分が両手で握りしめている缶の温かさに気づいた。
もう握りしめられるくらいに温度は下がっていたけれど、まだ十分温かい。
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