蔓薔薇
「ごめん、セリ、何?」

「イサの彼女って誰の事
 今、ミオちゃんって
 聞こえたけど・・・
 どういうことなの?」

15分程経過してからイサオさん
が携帯電話を手に持ち、店内へ
と戻って来た。

アキラさんはランチを食べる
箸を止めて聞いた。

「アニキ、セリは何て?」

イサオさんは、とても
困った表情を浮かべた。

「セリが、どうかした?」
 
イサオさんの工房にお昼を届け
に来たセリナさんは製作中の
彼が留守にしていたので心配に
なり、彼の携帯電話に連絡を
してきたようだ。

「セリの奴、俺とミオちゃん
 の仲を誤解して、ひどく
 興奮して電話を切ったよ」

その後、イサオさんが
セリナさんの携帯電話に何度と
電話をかけても、彼女は出ずに
全く繋がらない。
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