蔓薔薇
「・・・
 誰も愛してくれないではなく
 誰かに愛してもらえるまで
 前を見つめて歩めばいい

 その傷に
 耐えた今があるのなら
 
 君はそんなに柔じゃない
  
 ねっ?」

イサオさんは私を見つめて
照れながら微笑んだ。
 
その微笑みは、とても素敵で
私の胸はドキドキと波打つ。

彼の、言葉の全てを心に刻み

私は、歩み出す事を心に誓う

雨が止んだ後の濡れた
アスファルトをしっかりと
踏みしめて、私は立つ。

「製作の邪魔をしてしまい
 すみませんでした
  
 今日は
 ありがとうございました」

「これから、確か職場に
 戻るんだよね?
 
 息吹さんには、俺から電話を
 入れておくから安心して」
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