俺様男子
ミカの姿を見つけ


おはようと


声をかけようとしてハルは立ち止まった。


「ミカが横断歩道に手をあわせてる…」


その様子はまるで


お地蔵さまにお祈りしているおばあちゃん!


「あっハルちゃんおはよっ」


「おはよ」


ミカはにこにこ笑っている。


「今手をあわせてたけどどしたの?
何かあった?」


「ん!あのね、ごちそうさまだったの!」


「そっか」


ハルは全く意味がわからなかったけど


悲しいことがあったわけではないようなので


とりあえず安心した。


「ねねね聞いてよ
あのねあのね
昨日タケル君がね」


ミカはオタクだ。


(本人はオタクじゃないのよ!腐女子よ!って言ってた)


タケル君というのは


アニメのキャラクターらしいんだけど


正直よく分からない。


けれど性格が悪くて皆に嫌われている
あたしにも優しくしてくれ、


ニコニコ笑うミカをみていると

乾いた心がほっと落ち着く。


ミカはハルのたったひとりの


大切な友達。
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