starlight







「葵...」

「......」

「聞いて、くれないか」

しばらくの沈黙のあと、

葵は小さく頷いた。



「まず、謝りたいんだ」

葵はうつむいたまま。

「いっぱいいっぱい傷つけて...
 本当にごめん。」

葵は、静かに涙を流し始めた。

俺はそんな葵の

冷たい冷たい手を

そっと握った。

葵は抵抗しなかった。




「葵には、本当に
 辛い思いをさせたと思ってる。
 本当に悪かった。
 寂しかったよな。」

葵が今も俺を好いてくれてたのは

分かってたから。

葵が俺を信じられなくなっても、

俺はずっと葵を信じてたから。

「葵が俺を振った日、
 俺の家に女がいたの、覚えてるだろ?」

葵の手が俺の手を握り返した。

「あいつ...元カノなんだ。
 俺昔すげー遊んでて...
 そのときの彼女」

「うん...」

「確かに、家に入れたことは悪かった。
 葵が俺をものすごい好きだって、
 自惚れてて...何も考えずに
 家に入れてしまった。」

「好きだったよ......?
 先生のこと、すごく」

「うん...それで、家に入れたら、
 より戻せって言ってきたんだ。
 前にも何度かあったんだけど...
 あの日も、葵がいるからって、
 断った」

「......」

「そしたらあいつ、キスしてきたんだ。
 俺に襲われるように仕向けようとして。」

「...」

「でも、俺は思ってた以上に葵が好きで、
 すげー嫌だった。」

「...」

「それでもがいてたら、
 葵が来たってことなんだ...」




































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