180°の世界
出会い
「ねえ?どこにするか決まった?」
「ん・・・。」
「りな!ちょっと聞いてんの?」
「もう決まってる。」
「どこよ。」
「あゆりも決まってるくせに。」
「まぁね。そりゃ、私の夢だもん。」
私は、りな。小学六年で、クラブ決め中。
「吹奏楽部!決まったの?」
「ハイ。この18名に決まりました。」
「えーっと。あら?こんなにも減っちゃって・・・。」
今年は五年の時、吹奏楽部に入っていた人が陸上にいっちゃって、人数が少ない。
本当は、六年から吹奏楽部に入るのはありえないのだが・・・。今回は人数合わせみたいになっちゃって・・・。
「お前ら3人は、今年から入ったからって五年と同じようにやっていけると思うな!楽器はテストで決める。一週間で吹けるようにしなさい。出来なかったら吹奏楽はやめてもらう。」

あゆりは、五年の時から入ってたけど、私は違う。
「一週間か・・・。」
「大丈夫?」
話しかけてきたのは、五年の男の子だった。
「わかんない。それよりも、男の子でも吹奏楽入るんだ。」
「俺、ホルンの池田。よろしく。」
「私は、伊崎。よろしく。」
「3人!テストを始める!」
「私行かなきゃ。」
「バイバイ。」

「初めに第三希望まで聞く。伊崎、どうぞ。」
「一つ目は、フルート。二つ目は、パーカッション。三つ目は、クラリネットです。」
フルートはあゆりがやってたし、パーカッションもクラリネットもかっこいいし。
第三希望、通るのかな?
「すべて却下。」
「えっ?何でですか。」
「どれも五年が優先だから。それだけだ。」
マジ?五年が優先ですか・・・。
結局、希望が通った人は、誰もいなかった。
「テストを行う。」
渡されたのは、トロンボーンとサックスの吹き口。
「・・・じゃあ伊崎、吹いて。」
「はい。」
ブーッ ブーッ ピーッ ピーッ
「じゃあ結果を言う。・・・サックス・・・トロンボーン。」
あぁ、うちの番だ。
「伊崎、トランペット。」
「トランペットですか?」
吹き口は、トロンボーン用なのに・・・。
「マウスピースはトロンボーン用だったが、トランペットの方が向いている。」
「ありがとうございました。」
夢にも見てなかったし、考えてもなかった。私、トランぺッターになるんだ。
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