偽りの結婚(番外編)



「いつも通りだ。」

今日一日の事を思い返したのだろう。

ロイドは、げんなりした顔でそう言う。



これが夫婦の会話だろうか。

新婚とは言えずとも、まだ若い二人。

そんな二人が、毎夜、仕事から帰って来て話す事と言えば……





「こっちもよ。」

溜息交じりに答えるモニカ。

それに、すかさず反論するのは夫のロイド。



「モニカは良いだろ、ずっとシェイリーンと一緒なわけじゃないんだから。」

「ロイドこそ、ラルフ様はずっとご公務をなされているのだから、ちょっとはマシでしょう?」


そう…二人が話していたのは、二人の“主”についての事だった。




「私なんて、今日は大変だったわ……。」


そう言って、モニカが話し始める――――




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