偽りの結婚(番外編)



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「そっちも色々と大変だったのね。」

憐れみの視線を送るモニカ。



「あぁ…あれから、どれだけ大変だったか…。」

ロイドは、思い出したように溜息をつく。



「結局、終わったの?」

固く縛っていた髪を解きながら、モニカが問う。



「あぁ、ギリギリでな。」

「それで、今日は帰りが遅かったのね。」

何処か、張りのない声。

その反応に、ロイドがニヤッと笑う。



「なんだ?寂しかったのか?」

意地悪な笑みを浮かべるロイド。



「なっ!違うわよ!」

そう言いながらも、モニカの顔は段々と赤くなっている。



「たまには、ラルフ達を見習うのもいいかもしれないな。」

「は?……って、きゃッ!」

ロイドがボソッと呟いたかと思えば、次の瞬間にはモニカの声が部屋に響く。




皆が寝静まる夜――――

ここにもまた、愛に溺れる夫婦がいたのだった。



≪侍女と側近の主事情≫  END


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