偽りの結婚(番外編)



一人で来ていたら、絶対に迷っていただろう。

どうぞ…と言って、扉を開くウィリオット。



「ありがとうございます。」


そう言って、ウィリオットの横を通り過ぎようとした時―――


「シェイリーン様。」

そっと、呼び止められる。

めったにないウィリオットの行動に、驚きつつも、歩みを止める。



「スターチスの花言葉をご存知ですか?」

「……?……いいえ、知りません。」

そう答えれば、ウィリオットはふわりと、あの優しい笑みを浮かべる。



「スターチスの花言葉は、“永遠の愛”です。」

「ッ……永遠の…愛……」

息を飲んだ後に、ゆっくりと口ずさむ。



「えぇ、そうです。シェイリーン様は、本当にラルフ様から愛されておいでなのですね。」

瞬間、ボンッと赤くなる顔。

先程の比ではない。



「さぁ、いってらっしゃいませ。」

パクパクと何も言えないでいる私に、ウィリオットは部屋に入る様に促す。

そして、私は、何も考えられなくなった真っ白の頭のまま、部屋に入った。



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