偽りの結婚(番外編)
「っ………」
すやすやと眠る我が子たちを見て愛おしさがこみ上げる。
元気で生まれてきてくれて本当に良かった。
小さく欠伸をする姿に、ラルフと目を合わせてクスクスッと笑う。
「愛する家族が一気に2人も増えて嬉しいよ。」
「ふふ…びっくりしたでしょう?」
まぁね…とラルフ。
「これからもずっと君たちを守り続けるよ。だからずっと傍にいてくれるか?」
子供を抱いていないほうの手で器用に私を抱きしめるラルフ。
聞かれるまでもない問いに、クスッと笑う。
そんなこと聞かなくても分かってるくせに…
貴方の傍にいたいのは私。
これからもずっと。
幾年にも及ぶ長い人生を貴方と生きていきたい。
私の幸せは貴方の傍にあるから。
「シェイリーン?」
何も言わずに黙ってしまった私に、不安げな声が落とされる。
こんなことも嬉しいなんて……
そう思いながら、ラルフの方を振り返る。
そして、幸せを感じながら「はい」と答えた。
温かな陽光が降り注ぐ部屋――――
この日2人の家族が誕生した夫婦の笑顔がそこにはあった。
≪小さな命≫ END