偽りの結婚(番外編)
この、愛しい人だけが、自分を翻弄する。
完璧だと言われた自分を、困らせ、焦らせ、喜ばせ・・・
そんな事が出来るのは、シェイリーンだけだ。
だから・・・シェイリーンの魅力など、自分だけが知っていればいい。
自分しか知らない彼女の魅力が、周りに知れたらどうなるだろうか。
プラチナブロンドは柔らかく、手に馴染んで。
エメラルドグリーンの瞳は、宝石より綺麗で。
華奢な体を包めば、柔らかく、滑らかな肌が心地良い。
きっと、男なら手に入れたいと思うだろう。
周りの男が後になって気付いたとしても、渡しはしないが。
「また、増えそうだ・・・。」
ラルフは、自らが付けた所有印を見ながら呟く。
シェイリーンは今年20になる。
益々シェイリーンは美しくなり、目の敵にする男たちが多く現れるだろう。
これから先待ち受ける将来に、不安を覚えながらも、ラルフの苦悩は絶えないのであった。
≪ラルフの苦悩≫ END