ジキルハイド症候群



数メーター進んで、一度止まったと思うと、肩越しに振り返った。


「蒼真」

「はい」

「次、恵里ちゃんと会うのは再来週になるが………それまでに元気になってなかったら罰な」

「……は?」

「じゃーな」


ヒラヒラと手を振りながら大和さんは、広場の入口の方に去っていった。


一人ベンチに残された俺は、背もたれに寄りかかり空を見上げた。


「たく、恵里も好かれたもんだな……」


大和さんに、決まった人がいなかったらきっと嫉妬で荒れ狂っていただろうな。


「再来週か……」


それまでに、恵里を元気にさせることが出来るだろうか?


「………あの女か」


そろそろ、動くか。
軽くため息をついて、俺は、携帯を取り出す。


メールが二件来ていたがそれより優先すべきことがあったので後に読むことにし、アドレスを呼び出した。


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