ジキルハイド症候群
修復の時間



―――――――――
―――――――


ボンヤリと窓から見える外の景色を楽しむ。
住宅街にも関わらず、ここから見える景色は綺麗だ。
多分、ちらりと自然も見ることが出来るからかもしれない。


何かをするわけなく、景色を眺めているとガチャリとドアが開く音がする。


「恵里、起きたか」

「うん」


お盆を片手に入ってきた蒼馬にあたしは頷いた。


「飯、食えるか?」

「大丈夫」


小さく笑うと、蒼馬は近くにある机にお盆を置いた。
小さな一人分の土鍋に恐らくお粥だろうと思う。
カチャカチャと蒼馬がお粥をあたしに食べさせようと準備をする。


その姿を見ながらあたしは緩む頬を食い止めることは出来ない。


「ねぇ、蒼馬」

「ん?」

「もう、大丈夫よ?」


背中に話しかける。


< 241 / 260 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop