闇月桜そして闇

山梨 ユミ そして闇

「ただいまー。」

暗く灯りの無い部屋に声が響く。
「…。
誰も居ないんだっけ。」

人の気配が無い空間をミシミシと登り

YUMI
と書かれた可愛らしい札が掛けてある部屋に入る。

「はぁ。 今日も疲れたな、、。」
ベットに鞄を投げつけ、近くにある勉強机に腰を掛けた。

この部屋には奇妙なほどクマのぬいぐるみが沢山置いてある。

置いてあると云うべきか。

まるで一つ一つが生きているかの様に見える。

笑っている者、泣いている者、怒っている者。

そして机の上には沢山の桜の置き物があった。

ユミは桜の置き物を窓から指す月の灯りに照らし



「お母さん。 ただいま。」

ユミの顔には表情が一切存在せず、ただぼんやりと月明かりに照らされた

桜の置き物を

ただ





ただ


見つめているー。






月明かりが




闇に
飲み込まれてしまうまで、、、。



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