闇月桜そして闇
黙ったまま、ユミも何も話さない。


太陽が沈みかけ

辺りがオレンジ色に染まり始めた。



「っ!やっぱり、分かん無い、よね?
アタシが変な事ゆって、、ごめ、ん、ね、?」

ユミの眼は夕陽に照らされ

キラキラ光る様に見えた。


泣いてる?

「ご、ごめん。
あたし、ほんと、、。
気にしないでね?、ご、、め、んね、、。」

下を向いたまま足早にドアへと向かう。

地面には小さな雫が幾つも零れ落ちー



ユミの手がドアノブに、触れたその時



僕は

突差にユミの手を掴み


「行かないで。

そのまま聞いて欲しいんだけど。」

ユミは小さく頷く。

「僕にもまだ分からない。
でも、
人間が嫌いな筈の僕が、長い時間、ユミと一緒に居て、
話して。その度に、心が重たくなったり、跳ねたり、
苦しくなったり、痛くなったり、、する、んだ。
家に居てもユミが気になるし、

こう、いうのが、
"好き" って いう事、、、な、の、かな。」




涙をいっぱい溜めたユミが僕の胸に顔を埋め、

「あたしも、好きだよ。
マサシ。」

栗色の大きな瞳が近付きー






僕の瞳と重なった。



















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