闇月桜そして闇
ピーピーピーピー、、、。

耳元でケータイが鳴る。

「っうっ、さ、、っい。」

手探りで止める。

あの嫌な家から飛び出して2ヶ月。
小さなワンルームマンションが僕の今の家。

口止め料で稼いだお金が結構貯まってるから生活費をバイトでまかなえばなんとかなる。

僕は制服に着替え、徒歩で学校へ向かう。

「おっはよー。どしたよ?マサシ、元気ないじゃん。」
全力疾走で掛けて来たコイツは
「ん〜??やや、マサシちゃん本格的に病んじゃったカンジでぇすかぁ?」
目の前に立ちはだかり顔を覗き込む。
「近いよ。タケル。朝から五月蝿い。」

「タハー。相変わらず棒読みで感情分かんないなぁ。」
まじまじと僕の顔を覗き込んで顔色を読む。

あの時に死んだ僕を理解しているのはコイツぐらいで。

何故か感情がバレる事が多い。

もぅ中学から一緒にいるが、
何故解るのかは教えてくれ無い。

「お前が、女子からなんて呼ばれてるか知ってるか?」
ニヤニヤした顔はコイツが一番得意な顔。
この顔する時はしょーもない事言う時が多い。

「興味ない。」
ちょっと呆れて言ってやる。
「しょーもない顔して言うなよ。タケル様の一番ネタだぞ?」

「3組、着いたぞ。」
「ダァっ!時間切れー!気になって死んでもしらんぞ!教えて欲しけりゃ今だぞ。」
教室のドアに顔を半分挟んでクネクネしながら言う。
こういう時のコイツは質が悪い。
「いらん。さっさといけよ。」
「勿体ないなぁ。んぢゃなー!」

タケルは教室の輪に溶けこむ様に消えていく。
「タケル〜。まだアイツと話ししてんの?気持ち悪いじゃん。」
「うっせーよ。お前には関係ないじゃん。」

これも。

いつも通り。

感情を出さ無い僕は周囲から冷たい目で見られる。

何をしても怒らない。笑わない。泣かない。
言葉に感情も無くー。

ロボットの様にー

ただ。

話すだけ。

当然友達もいない。

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