闇月桜そして闇
僕の父は一流会社を経営する社長だったー。

母は働いた事が一度も無い、いわゆる世間知らずだ。

いつも世間体を気にして、日々を生きている。

が。

両親は家では何も話さない。
家には若い男や若い女が頻繁に出入りし、
僕に見つけられては、口止め料としてお金を包む。

この家ではお互いの得を一番に考えて行動する。
それが当然だと思う。

この家には子供は僕しか居ない。
高校に通い始めると途端に放任する様になった。

それがラクだし、寂しいと思う事も無い。

行事事には二人揃って参加してた。
作り物の笑顔を貼りつけたままー。
嬉しくも何とも無かった。
本物の笑顔なんて見た事も無かったー。

でも。

僕も、

もうずっと、ずっと、、。
笑ってなんかいない。

あの時既に僕は

死んでいたんだ。
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