闇月桜そして闇
「っあっ!そ、れは、。」
コルクを抜きボトルを逆さまに向けて
ワインが一気に地面を血の色へと替える。

「ぅっあぁ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。」
手を跳ね除け、色が変わっていない部分を求めて僕は逃げ惑う。

「あははははっ。
やっぱり、コレが嫌いなの。」

「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。」

「案外、両親の事、好きだったのねぇ。」


(マサシ〜!?


マサシく〜ん?

どこー??)

「チッ。運が良かったみたいね。
又迎えに来るから。」



眼を開けるとそこは白い天井で、
見慣れた顔と見慣れない顔があった。

「マサシぃ〜心配したぞぉ!顔が真っ青でブルブル震えてたから!」
心配してる様には見えないけどな。タケルは。

「よかった。なんかフラフラ寝転がったの見えて心配だったの。」

「えと。君は?」
「ダァ!せっかく心配してくれた女子の名前も知らんとは!
しかも同じクラス! 高梨 ユミちゃん!」

栗色の髪を一つにまとめて、僕より背が高そうなこの子は何だか不思議な感じがした。
「あ、えと。ユミでいいから!
元気でよかったよ!ずっと気になってたんだ!話したかったけど、
心底人間が嫌いそうに見えて迷ってたの。」

「あ、そう。」

「もー!有り難うぐらい言えよっ!俺に知らせてくれたのユミちゃんだよ?」
「背中叩くな。痛い。
え、、と。高梨、さん。
あ、あり、がと。」

「えとー、、。そこ床だけど。
ま。いいや。あたし、部活あるからいくね!
またねー!マサシくん!」

「やーユミちゃん元気でいいねぇ!
俺さっそくメアドゲットしよ〜!!
んじゃなっ!」
お決まりの全力疾走で追いかけてく。

高梨 ユミ、か。

そういえばさっきの少女に


少し似てたな。







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