青い瞳のガレア
 そのアグリスが、争乱が起きれば人間と袂を分かつという。

 それほどに、種族の違いという溝は大きい。

『私は何も、好き好んで殺戮を行いたいわけではないよ。ここは住み良い世界だからね』

 ガレアの心情を察したように、アグリスは続ける。

『ガレアよ、争乱が起きる原因が種族の対立にのみ起因するわけでないことは知っているだろう』

「…はい。一方の勢力が拡大したために均衡が崩れると、世界そのものがバランスを保つために破壊を招く…ですね」

 浮かない顔のままで答えるガレア。

『そうだ。人間はかつての崩落から立ち直り、繁栄してきた。その規模は驚異的とも言える』

「その繁栄が、世界の均衡を崩すとでも?」
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