青い瞳のガレア
 ガレアの発言は、詭弁でしかない。

 無論、ガレア自身もそのことは分かっている。

 しかし、アグリスに言い返さずにはいられなかったのだ。

 理由など分からない。

 ただ、止めどなく言葉が口をついて出る。

『そう声を荒らげるものではない』

 至極冷静に、アグリスはガレアを制する。

『私は人間を憎んでいるわけでも、嫌っているわけでもない。ただ、有事の際には同族のために尽力すると言っているだけだ』

「っでもっ」

 冷静さを欠いたガレアは、なおも言い募ろうとする。

 その時。

「あうっ!」

 ガレアは突然手で耳を押さえ、呻き声をあげる。

 耳を突ん裂くとはこのことか。

 空が張り裂けるような、地が砕けるような音が聞こえた。
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