この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-


その生温かい感触でビクリと肩を揺らせば、口づけが首筋へと移動するから。



鼓膜へとダイレクトに響く瑞々しい音が、私から力を徐々に奪っていくようだ…。



「んっ、や、やめ…」


「のん…、俺に言うコト無い?」


「へ?な、ぃや…、んっ――」


一度ピタリと消え失せた甘い疼きに、いささかホッとして首を捻ろうとすれば。



「へー…、のんが言うなら止めない」


「ちょっ、ゆ、ゆーく…んっ」


「匂い消し中につき、黙ってて」


「ッ・・・」


明らかな棒読みの声色で再開されたソレが、また私の熱をボッと簡単に上げる。


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