この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-
あれほど悩んで、必死に堪えて、ついに涙を流した私の気苦労を返してくれ――
「もう、良いから…離れてよ…」
そうだ。大きな問題が解決したトコロで、この格好は危険すぎる。
「やーだ」
「な…、こ、紅茶が冷める…!」
今さら羞恥心が走ったからと、慌てて身をよじりはじめてみても遅い。
「俺は紅茶より、こうしていたいし」
「何なの、その甘えた声」
ヤケに甘さを秘めた声でドキッとしても、開き直りの図々しさから冷静に返せたのに。
「だって。肝心な問題が残ってねぇ?」
「…ん、ちょ、ゆー…くっ…」
ククッと喉で笑う彼の吐息が耳に届いた刹那、クチュリと舌を這う音が続いた…。