この涙を拭うのは、貴方でイイ。-大人の恋の罠-


どうして柚ちゃんが意見をすると、卑猥な方へと進むのだろうか…?



あれから数日が経って、久しぶりの休日だと柚ちゃんからショッピングに誘われた。


“ひとつに固執していれば良い製品は生まれない”


そう言って買いまくる柚ちゃんをよそに、私は癒しを求めてアロマオイルをゲットしただけ。


沢山のショップ袋は車のトランクへ押し込み、馴染みのホテルのラウンジでお茶中の現在だ…。



「――で、風船とは連絡取ってないのね」


「うん。だって祐くん仕事で忙しいだろうし…うん、何というか…」

少し冷めたチャイを飲むと、彼女の率直な問い掛けに素直に頷いた。



すると彼女は新たな煙草に手をつけ、ジッポからジュポッと小気味良い音が立つ。


綺麗なピンクベージュに色づいた唇で、煙のくゆる煙草を美味しそうに吸う姿こそエロスだ。


柚ちゃんを囲う美メンズたちの気持ちも、妹ながら少しは分かるな――…



「あー、のんと尭って社内で専らのウワサだものね。
今のウチに尭とイチャつくワケか」


「はぁああ!?」

紫煙を吐き出したイイ女の突拍子も無い発言に、思わず場所も忘れて叫んでしまった。


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